ブラックショールズ式と2項モデルのこと

「ストックオプション等に関する会計基準」には,
ストック・オプションの公正な評価単価の算定方法として,
ブラック・ショールズ式を使ったモデルと,2項モデルが例示列挙されています。

「株式オプション価格算定モデル」とは,ストック・オプションの市場取引において,
一定の能力を有する独立第三者間で自発的に形成されると考えられる合理的な価格を見積もるためのモデルであり,
市場関係者の間で広く受け入れられているものをいい,例えば,ブラック・ショールズ式や二項モデル等が考えられる。

「ストック・オプション等に関する会計基準」第48項後段

ブラック・ショールズ式と2項モデルの詳細については,
インターネットにたくさんの参考サイトがあるので,そちらに譲るとして,
ここでは,ごく簡単に両者の類似点と相違点について書きます。

「ストック・オプション等に関する会計基準の適用指針」では,
ブラック・ショールズ式と2項モデルの違いを,下のように書いています。

(1)「離散時間型モデル」とは,株式オプション価格算定モデル等の株式オプション価値の算定技法のうち,将来の株価の変動が,一定間隔の時点において一定の確率に基づいて生じると仮定する方法をいう。離散時間型モデルの典型例として,一期間後の株価が一定の確率に基づいて上昇するか下落するかの二つのケースのみを想定する二項モデルがある。

(2)「連続時間型モデル」とは,株式オプション価格算定モデル等の株式オプション価値の算定技法のうち,将来の株価の変動が,一定の確率的な分布に基づいて常時連続的に生じると仮定する方法をいう。連続時間型モデルの典型例として,ブラック・ショールズ式がある。
「ストック・オプション等に関する会計基準の適用指針」第2項

相違点
ここから,ブラック・ショールズ式と2項モデルの相違点が浮かんできます。

両者の違いは,
機械式時計(スイープ運針)とクオーツ時計(ステップ運針)の違いに似ているというと想像しやすいかもしれません。

スイープ運針は,(たとえば)36秒から37秒を指す間に,36.001秒,36.002秒,,,36.998秒,36,999秒という具合に(あるいはもっと微少な間隔)で秒を刻みますが,
ステップ運針は,36秒,カチッ,37秒という具合に秒を刻みます。

ステップ運針の動きを微少に分解したものが,スイープ運針であるとも,
スイープ運針の動きのうち,必要な部分だけを取り出したのがステップ運針とも考えられます。

ブラック・ショールズ式と2項モデルも,これになぞらえて考えることができます。

株価が,(たとえば)100円から103円に変動した時に,
101.56円,102.79円という具合に微少な時間で連続的に推移する各株価を捉えようというのが,ブラック・ショールズ式の考え方で,
100円と103円という主要な時点の株価だけを対象にしようというのが,2項モデルの考え方です。

類似点
一方で両者には,類似点もあります。

ある時点の株価105円である場合に,
ブラック・ショールズ式も2項モデルも,ある種の確率を援用して,
つぎの時点の株価がいくらになるのかを予測しています。

しかも,予測をするのに利用する変数(ボラティリティ/株価変動性)も共通しています。

このことから,ヨーロピアンタイプのオプション価格についていえば,
2項モデルで株価の変動を予測する期間の間隔を限りなく微少にして得られる結果は,
ブラック・ショールズ式から得られる結果と同じになります。

「ヨーロピアンタイプのオプション価格についていえば」という限定をつけました。
ヨーロピアンタイプとアメリカンタイプについては,別のエントリーで書きます。

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